マイナ保険証のメリット・デメリット
1.マイナ保険証のメリット・デメリット
マイナ保険証の主なメリット・デメリットを紹介します。
マイナ保険証のメリット
(1)過去の医療記録を医師や薬剤師と共有できる(いほく整骨院では保険証の番号・生年月日などの基礎情報しか確認できません)
マイナ保険証を医療機関で利用する際、「医療情報の提供」に同意すると、過去の医療記録を医師や薬剤師に共有できます。
口頭で伝えることが難しい薬剤情報や、過去の手術実績、受診歴などを正確に共有できるため、的確な診断や処方判断につながります。
(2)高額療養費制度がより使いやすく
※100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合の一例
※高額療養費の支給額、および自己負担の上限額は、年齢や所得によって異なります(いほく整骨院での施術費や自費のマッサージの費用も医療費に含まれます)
高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が高額となった場合に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後日払い戻される制度です。
従来の保険証では、高額療養費制度を利用する場合、一時的に窓口で自己負担額の全額を支払うか、限度額適用認定証を窓口に提示する必要がありました。
しかし、マイナ保険証では受付時に「限度額情報の表示」に同意すると、窓口での支払いがはじめから自己負担限度額までになり、高額な費用を一時的に負担する必要がなくなります。
(3)医療費控除の確定申告が簡単に
マイナ保険証を使えば確定申告の際、医療費の控除申告が簡単になります。
従来の保険証で医療費控除を受けるには、確定申告の際に医療費を入力し、5年間は領収証を保管する必要がありました。
しかし、マイナ保険証では、医療費の領収証を管理・保管しなくても医療費通知情報がマイナポータルで管理できるため、e-Taxと連携することでデータが自動的に入力されるようになります。
(4)医療機関の業務が効率的に
従来の保険証では、保険資格をリアルタイムで確認できません。
そのため、患者の保険資格の変更に気づかないまま医療機関を受診し、後日保険請求が差し戻されるケースが年間500万件以上発生していました。
マイナ保険証であれば、保険資格の情報をリアルタイムで確認できるため、診療報酬の請求を正確におこなうことが可能になります。
マイナ保険証のデメリット
(1) システム不具合が頻発している
マイナ保険証を取り扱うシステムやカードリーダーに不具合が生じた場合、マイナ保険証だけでは保険診療を受けられません。
全国保険医団体連合会の調査によると、2024年5月以降、7,134の医療機関でマイナ保険証に関するトラブルが発生しています(2024年9月19日時点)。
不具合等でマイナ保険証が使えない場合、利用者は従来の保険証を提示するか、各家庭に届く「資格情報のお知らせ」とマイナ保険証を併せて提示する必要があります。
いほく整骨院では現在お使いの保険証のがあれば掲示していただければOKですマイナポータルアプリの資格情報画面とマイナ保険証を併せて提示する方法でも対応可能になります。
(2)暗証番号を管理する必要がある
マイナ保険証で受診する際、カードリーダーの顔認証に複数回失敗すると、事前に設定した4桁の暗証番号を入力する必要があります(いほく整骨院では基礎情報だけですのでマイナ保険証をリーダーにかざして頂くだけです)
顔認証が通らず、さらに暗証番号を忘れたり、3回入力を間違えたりすると、受診できない場合があるため注意が必要です。
暗証番号の管理や機械の操作が難しい場合は、暗証番号を設定せずに利用できる「顔認証マイナンバーカード」の発行をおすすめします。
このカードでは、本人確認として機械による顔認証だけでなく、受付で目視による顔確認もおこなえます。
保険証廃止で高齢者施設の負担が増加?特別養護老人ホームなどの高齢者施設では、入所者が医療サービスを利用しやすくするため、施設内で保険証を預かることが一般的です。
しかし、マイナ保険証の場合、暗証番号と併せて管理する必要があるため、従来の保険証よりも紛失や盗難が発生した際のリスクが高く、預かりが難しいという課題があります。
さらに、マイナ保険証の発行や登録・更新ができない入所者に対しての代理申請などをおこなうことで、施設側の負担が増えることが懸念されています。
3.マイナ保険証の確認・発行方法
マイナ保険証の登録状況はマイナポータルのトップページより確認できます。
マイナ保険証を利用したい場合は、マイナポータルのほか、医療機関や薬局の受付、セブン銀行ATMからすぐに申請できます。
詳しくは厚生労働省のホームページより確認してください。
4.マイナ保険証に関するよくある疑問
Q1.個人情報が漏れないか不安……セキュリティは大丈夫?
マイナンバーカードのICチップには、病歴や年金額、預金額などの情報は記録されていません。
マイナ保険証は、カードのICチップと顔認証、暗証番号を組み合わせることで個人情報を確認できる仕組みとなっているため、紛失した際に個人情報が流出する可能性は低いといえます。
ただし、マイナンバーカードは運転免許証や従来の保険証と同様、紛失時になりすましの被害を受ける可能性があります。
もし紛失した場合には、24時間365日受付のマイナンバー総合フリーダイヤルへ連絡し、カードの一時利用停止と再発行を申請しましょう。
Q2.マイナ保険証の登録を解除する方法は?
加入している保険者に解除申請書を提出することで、マイナ保険証の登録を解除できます。
登録が解除されるのは、申請書類が受理された月の翌月末以降です。
今後、マイナ保険証ではなく資格確認書を利用したい場合は、従来の保険証が使えなくなる前に申請しましょう。
なお、代理人が解除申請をおこなう場合は、代理人の本人確認書類と委任状が必要な場合があります。
申請書類や委任状の様式は保険者によって異なるため、加入している保険者のホームページにてご確認ください。
Q3.親や子どもの代わりに利用登録はできる?
マイナ保険証の登録は、本人の同意のもと家族が代理で申請できます。
代理申請をおこなう人のスマートフォン・PCで一度マイナポータルからログアウトし、登録者本人のマイナンバーでログイン後、マイナ保険証の利用申請をおこないましょう。
なお、医療機関や薬局の受付、セブン銀行ATMで登録する場合は、登録者本人に同行してもらい、登録者本人と共に利用登録をおこないましょう。
いほく整骨院 院長